少しだけ 3

やっと最終。ほんのり甘い感じに仕上がってしまいました。
続きからどうぞ。

あれからその椅子に座って、二人は星を眺めながら他愛のない話をした。
サスケは里を抜けてからいろいろな修行をしたときの話。
ナルトはサスケが行ってしまった後の木の葉や自分の話を。
このまま、時が止まってしまえばいいとも思った。しかし、時は残酷にも過ぎていく。

「・・・あぁ、そろそろ時間だ」
先ほどまで微笑みながら話したりしていたサスケの顔が悲しそうにゆがむ。
そんなに生き急がなくたって、と思ったが木の葉と音の里の距離を想像してしまうと。もう行かなくてはならない。
「じゃあな、ナルト。久しぶりに話せて楽しかった」
そう言って立ち上がった。その目は遠く、音の里を見据えているようだった。
帰ってしまう。そう思った瞬間ナルトは動き出していた。

不意にサスケのやわらかい唇にナルトの唇が重なる。
それはわずかの間だった。別れを惜しむような、優しくて、切ないような。
サスケは一瞬の出来事に目をぱちぱちさせて、起きた事を把握すると同時に顔を赤く染めた。
「なっ・・・」
その反応を見てナルトは嬉しそうに、次は、俺から行くからとにこやかに言った。
小さくサスケがありがとう、と囁いたのをナルトは聞き逃すことはなかった。



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ﾌﾋ！初小説完結です！
何だこの最後の結末は。甘いぞ。なんかもうむずがゆくて書いててｿﾞﾜｧときました。

ここまで読んでくださってありがとうございました！
2011/01/26　　　藍川 紫